ワンポイントアドバイス

塗装について

新たな木材加工製品は、実に多種多様に利用されています。これらは、いずれも貴重な限りある資源をより合理的・効果的に使う、あるいは大径材、良材が少ない中で、木材の性質を損なうことなく欠点を補う意味で開発された改良木材です。 木材も生活水準とともに高度化し、性能の優れた木材工業製品が規格化(JAS)され、私たちの暮らしの中に大きな力として息づいているのです。

主な塗装の種類
塗装の種類 特  徴 主に使用される箇所





合成樹脂調合ペイント(SOP) 安価で、ポピュラーであり、
塗料のなかでも広範囲に使用される
SOP塗装壁 内外の鉄部・木部
フタル酸樹脂エナメル(FE) 合成樹脂調合ペイントと同様の用途であるが、美装性に優れ、高級仕上である 内外の木部・金属系
塩化ビニル樹脂エナメル(VE) 昭和20年代後半から広く親しまれてきた塗料。塗膜は薄いが、耐水性、耐アルカリ性に優れる 浴室・厨房・地下室・食品、
工場の壁面・天井
アクリル樹脂エナメル(AE) 速乾性で比較的耐水性、耐アルカリ性、耐候性、美装性が良い 内外部の美装を目的とした壁面
2液形ポリウレタン樹脂エナメル
(②-UE)
腐食雰囲気の条件下で、比較的長時間の耐候性、美装性を有する 内外部の美装を目的とした壁面、タンク・プラント
常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル
(②-FUE)
腐食雰囲気の条件下で、長時間の耐候性、美装性を有する。他の塗料に比べてコスト高だが、優れた特性を持つ 高層ビルの外装、橋梁や
プラントの仕上げ塗料
合成樹脂エマルションペイント
(EP)
建築塗装で非常に多様されている塗料。
素地の保護と美装を目的とした塗料で内部用と外部用がある
EP塗装壁 内外部のセメント系下地
(モルタル、コンクリート、
スレ-ト板など)、石膏ボード、
ケイ酸カルシウム板、木質系素地
ラッカー(CL) 昭和初期から使われ始めて、木材塗装で最も汎用的に使用されてきた塗料の一つ。木材によくなじみ、幅広い仕上げができる。コストが安く、作業性が良い 屋内木部(床は除く)や家具
など。水掛かりの部位、
使用頻度の高い箇所には不向き
ポリウレタン樹脂ワニス(UC) 幅広く使用され、建築の木部塗装では高級仕上げとして位置付けられている。塗膜性能全般に優れており、美装性を有する 家具・木工製品全般、
壁・床など建築内装
ステイン(OS) 木材の素地を着色する。油性、水性、アルコールなどのステインがある オイルステインは内部用、
ピグメントステインは内外部用
※参考文献 : 建築知識 「塗装テクニック読本」 株式会社エクスナレッジ
          「建築仕上げコストの基礎知識」  大成出版社