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木の材料についての基礎知識-2 新建材編

新たな木材加工製品は、実に多種多様に利用されています。これらは、いずれも貴重な限りある資源をより合理的・効果的に使う、あるいは大径材、良材が少ない中で、木材の性質を損なうことなく欠点を補う意味で開発された改良木材です。 木材も生活水準とともに高度化し、性能の優れた木材工業製品が規格化(JAS)され、私たちの暮らしの中に大きな力として息づいているのです。

合   板
合板とは、ベニヤを乾燥させ、奇数枚の単板を繊維方向(木目方向)が交差するように積み重ね、接着剤を塗布して貼り合わせて1枚の板にしたものをいいます。合板の構造木材は古代から人間の生活と密着して利用されてきました。特に日本のような高温・多湿の環境では現在でも欠かせない材料です。日本の環境にも順応する木材の優れた特性を備えると同時に、欠点を製造技術で補整し、木材をより強く、幅広で、しかも伸び縮みの少ない優れた建築材料といえます。
単板を張り合わせただけで表面に化粧等を目的としたオーバーレイ(Overlay)や塗装をせず、木地のままの一般用途に用いられるものを「普通合板」といい、二次加工合板とも呼ばれる「特殊合板」は、普通合板の表面に優良天然木を切削した薄板を貼ったもの、木目や抽象柄をプリント加工したもの、ポリエステル樹脂・メラミン樹脂・塩化ビニル樹脂等をオーバーレイ加工したもの、さらに塗装等を施した表面加工合板などの種類があります。
LVL(単板積層材)
単板積層材とは、単板を主として繊維方向を平行に積層接着したもので、LVL(Laminated Veneer Lumber)とも呼ばれています。単板を互い違いに直交させて積層接着した合板が各方向の強度のバランスや寸法安定性の良い平面材料であるのに対し、単板積層材は主に長さ方向の強度に優れた材料です。用途も合板が板として平面的に用いられるのに対し、LVLは柱や梁のように細長い部材(軸材)として用いられます。
集 成 材
集成材とは、一定の製造基準基づいて人工乾燥し大きな節や割れなど木の欠点を取り除いた引き板を、木目にそって長さ・幅・厚さの方向に集成接着した建築材料のことをいいます。金物で締めたり、釘打ちしたりして、機械的に集成したものは含みません。
集成材は主として建築材料として使われていますが、目的に応じて造作用、化粧貼り造作用、構造用、化粧貼り構造用の4種類があります。主な特長は、変形・割れが少ない、加工寸法が大きく取れる、品質が安定している、防火性能の高さ等が挙げられます。
パーティクルボード・ファイバーボード
パーティクルボードとは、木くずのような細かい木材を、フェノール樹脂などの合成樹脂を接着材として熱圧縮して作られた木質ボードです。耐水性もよく、合板に比べて表面のはがれ、凸凹がなく、酸やアルカリにも強い他、普通の木材にあるような、虫喰い、割れ、筋、腐蝕等もおこりません。材料としては、間伐材、枝の部分、カンナくず、ノコくず、その他あらゆる種類の廃材が使われている、たいへん自然環境によい製品です。大抵のパーティクルボードは、中心層ほど大きな木片を使用し、表面に行くにしたがって小さな木片で作られています。
一方、木の繊維を集めて合成樹脂で固めたものがファイバーボードで、硬さによって3つの種類に分類されます。このうち最も硬いものがハードボード(硬質繊維板)、中間の硬さがMDFボード(ミディアム・デンシティー・ファイバーボード、中質繊維板)、最も軟らかいものがインシュレーションボード(軟質繊維板)と呼ばれます。最終的にはファイバーボードのような木繊維の材料を使い、滑らかな表面に仕上げられています。