木の材料についての基礎知識-1 ムク材編

われわれ日本人は、昔から「木」を建築材料に使用してきました。建築に使用する木材は種類によって、加工性・耐朽性・弾力性・耐水性など、その性質がさまざまなので、用途の向き不向きがあります。
たとえば、スギやヒノキは比較的目が通っているため、加工しやすく、白木の表情も美しいので、長いあいだ木造建築の材料の中でも特に中心的な役割を果たして来ました。ケヤキやミズナラは硬くて丈夫で木目に味があるため、床板や家具材としてよく使われています。
現在ではムク材の他にも、集成材や練付合板、OSBなどの新建材も多種多様です。もしみなさんが、店舗などに木材を使用するのであれば、その良さを生かすためにも以下のような性質を知っておくと便利でしょう。


<樹木の構造>

秋田杉柾目 秋田杉板目

木曾檜柾目 木曾檜板目

柾目     板目

柾目     板目

柾目     板目
杉 【スギ】
スギ科
檜 【ヒノキ】
ヒノキ科
鼠子 【ネズコ】
ヒノキ科
栂 【ツガ】
マツ科
高野槙 【コウヤマキ】
ウヤマキ科
針葉樹(国産材) 針葉樹(国産材) 針葉樹(国産材) 針葉樹(国産材) 針葉樹(国産材)
・辺心材の境目が明瞭。
・木理は通直、肌目はやや粗く、特有の香気を持つ。
・脂気(やにけ)が少ない上、軟らかく軽いので加工性に富む。
・耐朽性は中程度。
・辺心材の境目は不明瞭な場合が多い。
・木理は通直、肌目も緻密で独特の香気と光沢を持つ。
・弾力性・靱性に富み、狂いが少なくやや軽軟なので加工性も良い。
・耐朽性は大。
・辺心材の境目は明瞭。時間の経過とともに黒ずみ、神代杉のような表情になる。
・木理は通直、肌目も緻密で、香気を持つ。
・軽軟なため加工性に優れるが、強度は低い。
・耐朽性は大。
・辺心材の境界は不明瞭。
・肌目は粗いが木理は通直で光沢を持つ。
・やや重硬で耐久性に優れるが、加工性に難がある上に狂いやすい。樹脂成分が多く脂条(やにすじ)も出やすい。
・耐朽性は小。
・辺心材の境界は不明瞭。
・木理は通直、肌目も緻密で、脂気もやや多く独特の香気がある。
・軽軟なため加工性が良い上、水湿に優れる。
・耐朽性は大。
構造材・造作材・建具・家具・樽・桶・工芸品等 高級建築材・造作材・和風建具・和洋家具等 腰羽目・天井板・欄間・建具・家具等 構造材・鴨居・敷居等 天井板等各種板類・器具・細工物等

板目     玉杢

柾目     板目

柾目     板目

柾目     板目

柾目     板目
欅 【ケヤキ】
ニレ科
桐 【キリ】
コマノハグサ科
栗 【クリ】
ブナ科
山桜 【ヤマザクラ】
バラ科
栓 【セン】
ウコギ科
広葉樹(国産材) 広葉樹(国産材) 広葉樹(国産材) 広葉樹(国産材) 広葉樹(国産材)
・辺心材の境目は明瞭。
・木理は通直だが肌目は粗く、時に美しい杢目を形成する。
・重硬で加工性はやや悪いが強靭で狂いが少ない。
・耐久性は大。
・辺心材の境目は不明瞭。
・肌目はやや粗いが磨くと美しい光沢が出る。
・国産材では最も軽軟で加工性は極めて良い。狂いが少なく、吸水性・透湿性も小さいので断熱性に優れる。
・耐久性は中程度。
・辺心材の境目は明瞭。
・木理はほぼ通直だが肌目は粗い。
・やや重硬で弾力・反聴力に富み、水潤に強いため耐朽性も大きい。
・乾燥性・加工性は中程度。
・辺心材の境目は明瞭。
・木理はほぼ通直。肌目も緻密で光沢を持つ。
・やや重硬で反りや曲りが少なく、加工性も良いが割烈しやすいので注意が必要。
・耐朽性は中程度。
・辺心材の境目は不明瞭。
・木理は交錯し肌目も粗いが、板目面は光沢があり年輪模様が美しい。
・やや軽軟で加工性がよく仕上面に美しい杢目が現れる。
・耐朽性は小〜中程度。
構造材・造作材全般・和洋家具等 和家具・細工物等 構造材・装飾材・家具・水廻り・器具等 造作材・装飾材・家具・楽器・彫刻等 内装用板材・化粧用単板・高級合板・家具等
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